日本の水生植物 探査記録

Vol.185 湿原に地の星



Location 千葉県山武市 Date 2019.05.20(MON)
Photograph
Canon EOS KissX9 / EF-S60mmF2.8Macro USM
Panasonic LUMIX FZ85

Weather Cloudy occasional rain with the strong wind

Temperature 21℃

(C)2019 半夏堂


■イシモチソウ全盛の湿原


(P)イシモチソウが多数の昆虫を捕食していた
Canon EOS KissX9 / EF-S60mmF2.8Macro USM

天候不安定
■雨にも負け、風にも負け

 恒例の定期訪問の成東・東金食虫植物群落である。最近行く度に思うが、山武市(旧成東町)の変化が急だ。通い始めた頃は昭和の面影が残る小ぢんまりとした好ましい雰囲気の田舎町だったが、駅舎が近代的になり、道路が拡張され、どこにでもある地方都市になってしまった。
 居住する方の利便性の向上を伴った町の発展は良いことだと思うが、一方旅行者視点では「はるばる来たぜ」感が薄れてしまい、そこはかとない寂寥感もある。(勝手な感想だ)来る途中の駅も駅前に同じようなドラッグストアのチェーン店やコンビニなどがあり、車窓からの風景に変化がない。

 それはともかく、何回来たか忘れるほどのおなじみの湿地だが、どういうわけか今までコキンバイザサ注1)を撮影しておらず、時折モニターしている「成東・東金食虫植物FAN!」の開花情報を見て、こりゃいかんとばかりに駆け付けたのだ。本当は前々日の土曜日に来る予定だったが、自分が居ないといけない仕事が入り、強引に代休を取った月曜日になってしまった。しかしまぁこの日の風の強さと言ったら・・!


(P)到着時には薄曇り、見学者もちらほら居たのだが Canon EOS KissX9 / EF-S60mmF2.8Macro USM


 風が強いのは西から大雨を伴う低気圧が接近しているからで、もたもたしていると雨が降ってくる。現に撮影している途中で突風と驟雨注2)があり、まるで植物の撮影をしないための日のようであった。ちなみにこの時の低気圧はかなり強力で、東側により強力な高気圧が居座っていたため、勢力が均衡する狭い回廊状の地域を南風が吹き抜けて風雨が強まり、関東各地では結構な被害が出た。その前日の風であるので水分をたっぷり含んだ、嫌な予感しかしない強風であったのだ。
 この天候は予報によりあらかじめ分かっていたが、あえて撮影を強行したのは次にまとまった時間が取れるのはいつになるか分からないからだ。そうこうしているうちに色々な雑事が入ってきて植物の事は忘れてしまい、何年後かに「写真撮ってねぇや」という話になる。そこまで行かなくても今回を外せば今年は確実にコキンバイザサのシーズンは終了する。また来年!・・・になれば別の事(趣味に限らず)で頭が一杯で思い出せるかどうか。ポジティブ方向の予測(楽観)はほぼ外すが、ネガティブ方向の予測は当たるのだ。それには自信がある。

 こんな天気の悪い月曜日の朝に湿地、さすがに誰もいないだろう、という予想に反し、食虫植物群落には数名の見学者が先着していた。私よりもやや高齢のグループであり、おそらくリタイア組だろう。そうであれば日曜も月曜も関係ない。少しうらやましい気持ちもあったが、一方限られた時間をやりくりし、目的の植物に巡り合えた喜びってのもあるわけで、自分が「すべて自由時間」になったらどうするだろう、何かクリエイティブなことをするのだろうか?という疑問もある。少なくても天気が悪い日には出歩かないだろうという確信はある。・・・人間は難しい。

■希少種の平原

 成東・東金食虫植物群落には何度も来ているとは言え、この時期にはあまり来ていないはず。と言うのはこの湿原の、この植物構成の「風景」にはあまり記憶がないからだ。あたり一面にピンクと白の花畑、トキソウとイシモチソウである。もちろんどちらも過去に何度も見ているが、両者これだけの密度で花を咲かせている光景を見たのは初めてだ。先週見たトウサワトラノオの群生も贅沢な見ものであったが、この2種のコラボも贅沢である。普段見られない植物の群生は希少性の違いには関係ない。もっとも写真撮影や見学の際には希少性やレッドデータという要素は自分の頭からは100%抜けている。早春のレンゲ畑を見ても同じように感じるのだ。さらには湿地植物であるかどうかも抜ける。大規模なシバザクラの花畑を見ても「贅沢だ」と思い何枚も写真を撮影するだろう。

 これだけなら「時期によって多少は違うよね」で済む話だが、どうにも違和感があった。よく見ればアシが見えない。いつも小型の植物を探すのにも撮影するのにも邪魔な「湿地の付き物」が見えないのである。場合によっては小型の希少植物の存続を阻害してしまう「必要悪」が湿原内に見えないのだ。だからこそ見通しが良く、トキソウとイシモチソウの花畑が見えるのだ。同時期の湿原にはすでに数10cmに伸長したアシがどこでも見られるが、これは管理者側が防除したとしか思えない。(アシが自然消滅したら驚異だ。その時は他の植物もすべて滅んでいるはず)あの「無双」のアシをこれだけ見えなくする努力は相当のものと想像できる。渡良瀬遊水地の野焼き後でも、1ヵ月前の4/20の時点で(Vol.180 野焼き跡歩き 渡良瀬編参照)すでにアシが芽吹き、20cmほどになっていた。何もしていなければアシはすでに腰の高さ程度には伸びているだろう。


【贅沢な花畑】
Panasonic LUMIX FZ85 Panasonic LUMIX FZ85
Canon EOS KissX9 / EF-S60mmF2.8Macro USM Canon EOS KissX9 / EF-S60mmF2.8Macro USM

地の星発見
■保護色

 今回の目的であるコキンバイザサは花色が黄色。しかしこの時期湿原内には圧倒的に黄色い花が多く、色だけで探すことは難しい。前出トキソウとイシモチソウを除けば湿原に咲く花はほぼ黄色なのである。すなわちニガナ、ウマノアシガタ、キジムシロ、さらにこれらは株数も多く、対してコキンバイザサは少ない、と来ている。
 一般の湿地であれば途中で探すのが嫌になりそうな保護色のオンパレードであるが、そこは見学者の多い名所、所々に植物の自生位置を示す解説板が設置されている。それも自生を阻害するほど大きくもなく存在が目立たない控えめなものが。これはよく考えられており、一般の植物園、例えば自然教育園や筑波実験植物園で見る解説板の半分の大きさである。有名どころの植物はともかく、初めて見るような植物は助かる。

 コキンバイザサは案内板のおかげで見つけることができたが、花の位置が低く、他の植物の葉などが邪魔でなかなか撮影ができない。ここで実物を見て生え方、花の付き方が分かったので他の場所で自生を探すことにしてとりあえずスルー。徐々に空模様が怪しくなってきており、BGMを付けるとしたらピンク・フロイドのOne of These Days注3)が似合いそうな雰囲気になってきた。一カ所で粘るわけにはいかない。


(P)まさに地の星、コキンバイザサ Panasonic LUMIX FZ85


■木道上の仕事電話

 刻々と悪化する天候に追われるように撮影に集中しているとバックパックに放り込んであった電話の着信振動音が感じられた。基本的に私の電話にはろくでもない用件しかかかって来ないので今回もろくでもない用件に違いない。ネットで調べものができるメリットを差し引いてもスマホを持つのはマイナスしか感じられない。ではなぜ持つのか、それは家族で割引があるのと世間体だけ。ゲームもしない、スマホで音楽も聞かない、こんなもんで写真を撮るのは恥だと思っている、まさに「不必要悪」である。
 この状況では少しの時間でも惜しいので無視しようと思ったが、番号を見ると勤務先病院の脳外科医の先生である。緊急を要するトラブルでもあると休暇を切り上げて戻らなければならないので仕方なしに出たが、全く急を要さない世間話レベルの内容であった。個人的に信頼してくれるのは有難いが、どうでも良い話がだらだら続く。そして彼は私が休暇中であることも知っていた。まったく勘弁してくれよ、ってのはこんな時に言うべき言葉だ。
 そんな事で時間を取られ、肝心の「いい位置」のコキンバイザサがなかなか見つからなかったが、ノーマーク、つまり案内板も何もない位置に何気なく咲いているのを見つけた。開花位置が地表に近く「地の星注4)」という言葉を思い出した。この植物、周囲に他の植物がないと葉の感じも美しくラン科の植物にも見える。トキソウにも負けない気品があってなかなか雰囲気が良い。やっぱり植物は気品だよな、と思ったが家の周辺では見られない植物だけに余計にそう感じたのかも知れない。

 これだけ数多くの湿地を歩いている私だが今回初めてコキンバイザサという植物を見た。しかし不思議なことにレッドデータには記載されていない植物なのだ。必ずしもレッドデータが正しいとは思っていないが、最近の改訂注5)を見ていると、すでに記載されたもののランクをどうするか、という部分に重点が置かれ、新規に記載すべき種類の検討が十分成されていない印象を受ける。私が数多くの湿地を見ていると言っても関東近辺だけであるし、全国的な傾向を把握した上での発言ではないので個人的な感想の範疇の話であるが、しかし「最近どうも見る機会が減った」「どこにでもあるとされるが、探しても見つからない」という植物は自分が感じる範囲でもけっこうある。改訂時期を定めないレッドデータは本来このような生物に脚光を当てることが役割ではないのだろうか。

 何はともあれ目的は果たし、2番目のお楽しみである東金方面の未整備地区の見物(未整備だけに何があるのか分からない)にどれだけ時間が残っているかな?と考えていた所に雨粒一つ。粒はみるみる数を増やし、強風に乗って横から叩き付ける雨となった。その後の行動は脚注2にある通り。避難先の管理棟は暖かく、荷物整理でも雨宿りでも快く場所を提供してくれる。そして湿原内に自由に立入(一般見学者は木道以外逸脱禁止)できる腕利きのカメラマンが撮影した希少植物の傑作写真が見放題。一度だけ「何か飲みますか?」と聞かれたこともあった。(誰か他の人と間違えたのかも)
 この時の雨は通り雨だったようですぐにあがり、また撮影を継続しても良かったのだが、2番目のお楽しみエリアは木道もないしブッシュが道に張り出したプチジャングルである。移動するだけで盛大に濡れてしまうロケーション、雨の後にうろつく場所ではないと思いチキってしまった。


【地の星、コキンバイザサ】
Panasonic LUMIX FZ85 Panasonic LUMIX FZ85

プラスアルファの体力
■観光客モード

 雨はやんだし次に降るまでに若干の余裕(3〜4時間?)がありそうな雰囲気になった。こういう「雰囲気」というか気配のようなモノは野原を歩けば歩くほど感じるようになる。概ね当るが、それは風の向きや雲の質感など無意識にため込んだ経験値のようなモノによるのかも知れない。それと、これは子供の頃から身に付けたスキルのようなものだが、雨がやんだぞ、という一点のみ雀の会話注6)が分かるのである。冗談でも何でもなく、普段より若干トーンの高い短めの鳴き声がそうなのだ。しかし他の会話は分からないのでものの役には立たない。この時も食虫植物群落から成東の駅方向に向かう道筋、雀の会話が「雨はしばらく降らないゾ!エサを探そう」と聞こえた。

 それはともかく、成東の駅からここまで2km弱、そして食虫植物群落のなかも結構歩き回っていたにも関わらず体力はびくともしていない。最近は前日の疲労を持ち越さない体力が戻ってきているのだ。それは特に節制しているからではなく、言ってみれば「リンゴ酢の力注7)」である。人に勧められて始めてみたが、3日目ぐらいから効果を実感できた。他にも内臓脂肪を減らすとか血糖値を下げる、血圧を下げるとか色々言われているが、そのあたりはあまり関心がない上に「実感」はできないので何とも言えない。

 というわけで体力も時間も十分余っており、どこか見物(みもの)はないかと考えたところ、成東に来るたびに気になっていた寺を思い出した。食虫植物群落方向から成東駅方向、北を見ると町の多くの場所から「プチ清水寺」のような赤い寺が見えていて、いつもは植物関係に全力を使い果たし見物する余力もなかったが、今日は見てやろう、ということで適当に道を選んで向かうことにした。


(P)成東山浪切不動院 Panasonic LUMIX FZ85


 寺院に到着してみると「成東山浪切不動院」という名の寺で、山門や本堂が朱塗り、遠方から見えていたのは小高い山の頂上付近に築かれた本堂だった。成東山の名に恥じない「山」である。山と見るか丘と見るかは個人の感性なので、寺が山と言っている以上は「山」である。本堂は遠くから見ていた印象より小ぶりで、遠近法の成せるワザだろう。実際に行くまでは「舞台」はテニスの試合ができる程に感じていたが、卓球も苦しいほどの面積だった。
 急な階段を上がって行くと(これも普段にはない前向き行動だ)清水の舞台状の欄干に出られる。手摺が低くやや恐怖を覚えるほどであったが、特に入場の制限や注意書きはないようだった。危険場所には一切近付けない最近の過保護観光地にはない粋な計らい・・・と見るか無謀な放置と見るか。こういう自己責任風雑さは実は好きである。食虫植物群落にも「マムシが出ます!」という注意書きがあるが、だからどうしろってのはない。そもそも蛇なんてのは自分で何とかするもんだ。「毒蛇が出たら、どくんじゃ」

 自分も初めて知ったことだが、浪切不動尊とは空海が遣唐使船に便乗して海を渡る際に、海上の嵐を鎮めるために掘った不動明王が由来である。以来、海上安全の不動尊として信仰されているようだ。成東(山武市)も九十九里に面した海の街、これも「海を感じる」房総の町らしいスポットだ。ただし浅草寺や成田山の周辺にある面白い売店や茶店などは一切ない。日本的観光スポットではなく完全にストロングスタイルなので、信仰の篤い方、仏教建築に興味のある方以外にはお勧めできないかも。ここまでは「どうやって調べた?」と思う程のローカルマイナーな場所にも出没する外国人観光客も来ていない。私にとっては植物を見学できる場所が複数あって良い場所だが、小さな寺だけを見に外房にまで来る酔狂な人間はいないのだろう。

 舞台からはこの寺院の真横を流れる作田川注8)が見え、たった今歩いてきた食虫植物群落方向を見通すことができた。この寺院から北はほぼ農業地帯であり、ある意味この眺め(南方向)が旧成東町のすべてだ。こうして見ると道路は広く直線状になり、失礼ながらここに本当に必要か、と思ってしまう程のマンションなども見えて、町を歩いて感じた「都市化」が俯瞰できる。
 この寺院に来て気が付いたが、成東や藤岡(渡良瀬遊水地)に通っていた理由が、植物もさることながら街並みにあったことがあらためて思われた。過去の行動を振り返っても佐原(Vol.178 台風直前下総行脚)など植物が目的なのか街並みが目的なのか自分でも分からない程だ。自分が生まれ育った地方の小都市の鄙びた雰囲気を無意識にトレースしたかったのだと思う。個人的なノスタルジーとは裏腹にこの町もゆっくり変貌していくだろう。食虫植物群落は周囲の環境からしてあまり変わりようがないと思うが、そこに至る街並みが変わった時に果たして今のように年に何回も通っているだろうか、とふと思った。


【成東山浪切不動尊からの眺望】
食虫植物群落方向
Panasonic LUMIX FZ85
欄干の低さがちょっと怖い
Panasonic LUMIX FZ85

■この訪問記録から5か月後の令和元年10月12日、台風19号によって全国広範に甚大な被害がありましたが、当地、山武市でも大きな被害があり、特に長期間に渡り停電が発生しました。訪問の度にお世話になった方々、被害を受けた方々に心よりお見舞い申し上げます。

脚注

(*1) Hypoxis aurea Lour. キンバイザサ科コキンバイザサ属。分類によってはヒガンバナ科とされ、見た目にはユリ科のようにもラン科のようにも見える。ササを名乗るがイネ科ではなく、散々分類に迷った形跡が感じられるのは新エングラー体系ではキンバイザサ科、クロンキスト体系ではユリ科、 APGW分類体系ではキンバイザサ科に分類されているのを見ても分かる。上品な草姿の野草だが小型(草丈約20cmほど)であり、花茎はさらに低い位置であるため、植生が多い湿地では非常に目立ちにくい。

(*2) 驟雨は季語としては夏のもの。要するに夕立だが近年の雨の降り方は季節関係なく熱帯のスコールのような降り方をする。この日は湿地の8割方を見終わり目的とする植物の撮影もあらかた終わった所で突然来た。管理棟に逃げ込み、カメラを収納したパックをバックパックの底にしまいこんだ瞬間に突然降りやんだ。もういいや、と撮影を終了したがそれはともかく、自分の認識では3〜5月は春のはずだが、いつの間にか夏に組み込まれてしまったようだ。世の中もクールビズが5月から始まっているし、5月のこの時期の「短時間強雨」を驟雨と表現しても差支えないだろう。

(*3) イギリスのロックバンド。活動期間は1965年-2014年、ただし中断期間やメンバーの死去などで終わりは自然消滅。2014年は未発表音源のアルバムリリースがあり、実質的な活動終了となった。One of These Daysは1971年発表の「Meddle」の収録曲。一般にはプロレス、アブドラ・ザ・ブッチャーの入場曲「吹けよ風、呼べよ嵐」として知られている。スタジオ版は本来ギタリストであるデヴィッド・ギルモアが右チャンネルのベースを、ベーシストのロジャー・ウォーターズが左チャンネルのベースを担当している。当日の天候はまさに「吹けよ風、呼べよ嵐」であったが、気持ち的には「吹くな風、来るな嵐、写真が撮れねぇぞ」であった。

(*4) 宮本輝の大河小説「流転の海」第二部のタイトル。第一部をはじめて読んだのは1990年、20年以上経過して文庫版ではまだ完結していない。文庫版の最新は第8部「長流の畔」(2019年5月現在)。第9部「野の春」で完結するらしい。(まだハードカバーしか出ていないので読んでいない)何年か前の読者コメントで、高齢者のファンが「自分が生きているうちに完結して欲しい」と言っていたが、気持ちが分かるほどの大作である。しかし文豪の大作にありがちな難解さはなく、埴谷雄高の「死霊」のように途中で焚書したいという衝動が起きるものではない。第二部のタイトルが頭に引っ掛かっていてコキンバイザサの低い位置の花を見た時にふと思い付いた。

(*5) レッドリストに付いて、以前は改訂は概ね5年ごと、というガイドラインがあったが近年ではレッドリスト2015、レッドリスト2017、レッドリスト2018、レッドリスト2019と毎年のように改訂が行われるようになった。ただしこれは環境省自身が発表しているように「生息状況の悪化等によりカテゴリー(ランク)の再検討が必要な種については、時期を定めず必要に応じて個別に改訂」しているものである。従って新たな種が加わる動きではなく、本当に危急度の高い、以前からレッドデータに記載されていた種の再検討版、と考えた方が良い。

(*6) 国松俊英著「スズメの大研究」(2004 PHP研究所)という野心的かつ魅力的な著作を読むと、スズメの鳴き声のバリエーションには仲間同士で様々なコミュニケーションをとる意味がある、とされている。自分が子供の頃、雨に異様な関心があって、理由は外に遊びに行きたいからというたわいもないモノだったが、いつやむか、と雨を見て考えていたところ、あがるタイミングでいつもスズメの鳴き方が同じ、しかも他の場合と違う、ということに気が付いた。全部解読できればスズメの通訳という人類史上初めての職業に就けたのに惜しいことをした。ちなみにカラスの鳴き声も様々な意味があるらしい。単にアホーと鳴いているわけではないようだ。

(*7) 色々と効果は喧伝されているが、分からない事(科学的に証明できない事)も多いので過信は禁物。個人的に助かっているのは本文に書いた通り「疲労回復」が実感できること。たぶん、だがダイエット効果や内臓脂肪燃焼といった効果は限定的ではないだろうか。そんなもんでデブが解消されるなら誰も苦労しない、と基礎代謝信者の私は思うのだ。試し始めてだいぶ経つが、いまだに無理なく飲める方法が分からない。これまた血圧低下、コレステロール低下に効果があると書いてあるトマトジュースで割ってみたが、お互いの酸っぱさが倍になっただけだった。仕事中に飲んで「酢を飲んだような顔ですヨ」と言われたが、本当に酢を飲んだので仕方がない。

(*8) 山武市を流れる二級河川。流路延長20.7kmで、成東・東金食虫植物群落の湿地の水を涵養している。食虫植物群落から東金線、総武本線の鉄橋あたりまでしか見ていないが、見た目上はあまり水質がよろしく見えず、沈水植物の姿も確認できない。ただし、流域には水田も多いので貴重な用水になっているはず。それにしては山武市内の作田川に合流する小河川の様子も「ドブドブ」で、この点も昭和の地方都市を見るようだった。ちなみに千葉県下水道公社の各都市別の下水道普及率を見たが、山武市に付いてはデータの記載がなかった。記載するまでもない、ということだろうか?


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