日本の水生植物 | 水生植物図譜 |
ツユクサ科 Commelinaceae (APGV:ツユクサ科 Commelinaceae) |
■絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2015準拠 ■外来生物表示:外来生物法第八次指定 ■植物分類:APGV分類 併記 |
genus search イボクサ属 ツユクサ属 ムラサキツユクサ属 |
イボクサ属 Murdannia |
標準和名 | イボクサ | 学名 | Murdannia keisak (Hassk.) Hand.-Mazz. | 生活型 | 一年草 | 自生環境 | 水田 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 和名の由来は、草汁をつけるとイボが取れることから、とあるが文献にあたって見た限りでは薬効成分は不明、いまどき野草を薬に用いる方はいないだろうが気休め範疇と思われる。注目すべきはその繁茂ぶりで、用水路や水田の畦際を埋め尽くすほど殖えている姿がよく見られる。水田の強害草となっている。下画像は台風によってなぎ倒された稲に覆いかぶさるように繁茂し、そのまま紅葉している本種である。このままでは稲刈りも出来ず、まさに「強害草」ぶりを発揮している。 茎は赤みを帯びることが多く、下部で枝分かれし地表を這う。葉は狭披針形、長さ2〜6cmで基部は鞘状となり茎を抱く。花は淡紅色(画像参照)。 本種は「水草」として紹介されることも多いが、明瞭な沈水葉は形成しない。湛水水田中でも生育するが、本来一年草であって気中で開花・結実を行うために水面上に伸びる傾向が強い。また環境によって閉鎖花を付ける場合がある。 (P)2009年9月 茨城県 More weedイボクサ |
2010年9月 茨城県 開花 | 同左 |
2011年10月 茨城県 大発生 | 同左 稲を覆う |
標本写真 | 同左 |
ツユクサ属 Commelina |
標準和名 | ツユクサ | 学名 | Commelina communis L. | 生活型 | 一年草 | 自生環境 | 水田 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 初夏から青い印象的な花を付ける植物。湿地を好む傾向はあるが、空き地や路傍などいたるところに進出する。水田では畦で多く見られる。シロバナサクラタデの場合は一般的認識が湿地植物でありながら乾地に生えている場合もあるが、本種は逆に、陸上が本籍の植物である。 注意深く観察するとツユクサのなかには花が白い株があるが、f.albiflora Makinoを付与しシロバナツユクサという品種として独立させる立場もある。albifloraがアルビノを連想させるが、サギゴケ、ムラサキサギゴケの例もあり、妥当性があるだろう。 採集してきて栽培するようなものでもないが、花弁を絞って染料にする遊びが昔からあって懐かしさを感じる。実用としても昔は染料に用いられていたとのこと。染料用の栽培品種(変種)はオオボウシバナと呼ばれる。 (P)2009年7月 茨城県 |
2015年5月 茨城県 | 同左 |
ムラサキツユクサ属 Tradescantia |
標準和名 | トキワツユクサ | 学名 | Tradescantia fluminensis Vell. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
外来生物:外来生物法指定なし 観賞用として昭和初期に輸入され、逸出帰化した南米原産のムラサキツユクサ属の植物。ツユクサよりも湿地性が強く、水のしみ出す崖沿いの道路際や小河川の水際に群落を形成している姿を見かける。 葉は対生で30〜60o長、長楕円形〜卵形である。花は白く花弁は7〜8o長、茎や葉は緑色。帰化定着している本種には花柄と茎が紫色になるタイプもあり(種として区別する立場もある)、緑色のタイプは不稔、紫色のタイプは結実するとされる。 尚、緑色のタイプ(画像のタイプ)をオオトキワツユクサ(Tradescantia albiflora Kunth)とし、紫色を本種とする立場もあるが、当Webサイトでは区別しない立場をとった。 (P)2015年6月 東京都 |
2015年6月 東京都 河川際に群生 | 同左 |
2015年6月 東京都 |