日本の水生植物 水生植物図譜
トウダイグサ科 Euphorbiaceae
(APGV:トウダイグサ科 Euphorbiaceae
絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2015準拠
外来生物表示:外来生物法第八次指定
植物分類:APGV分類 併記
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トウダイグサ属
トウダイグサ属 Euphorbia (APGV:トウダイグサ亜科 Acalyphoideae トウダイグサ属 Euphorbia
標準和名 センダイタイゲキ 学名 Euphorbia sendaica Makino. 生活型 多年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2015:準絶滅危惧(NT)

 関東以北の本州に分布する、広葉樹林などの湿った場所に生える多年性植物。杯状花序が独特で茎は直立し草丈40〜50cm、葉は長楕円形、長さ5〜6cmのものを互生する。

 関東地方では極めて希な植物で、千葉県富里市と茨城県稲敷郡の2箇所で確認されているのみ。茨城県では1996年の評価で絶滅とされたが、その後再発見された経緯がある。
 一方、主たる自生地域と考えられる東北地方でも状況は厳しく、いわてレッドデータブックには「全国的にも生育地は限られており、一関市から報告された生育地はすでに絶滅したと考えられる。また、沿岸の生育地も東日本大震災の大津波の影響を受けた可能性があり、追跡調査を行う必要がある。さらに本種には近縁種が多く、これまでに報告されている様々な情報は再検討しなければならない」とある。

(P)2017年4月 茨城県
2017年4月 茨城県 同左

2017年4月 茨城県 独特の杯状花序
標準和名 タカトウダイ 学名 Euphorbia pekinensis Rupr. 生活型 多年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2015:記載なし

 トウダイグサ科の多年草。同科ノウルシとともに湿地でよく見かける。利根川では河川敷のアシ帯などで群落を形成している。草丈は30〜80cm、上部で多く分枝する。葉は長楕円状披針形で互生、夏から秋にかけて和名の元となった杯状花序に黄色い花を咲かせる。秋にはタコノアシやアカバナ、ミズオトギリなどとともに湿地で紅葉する。
 根を漢方薬の大戟(たいげき)として用いるそうだが、有毒植物でもあるので注意したい。属名Euphorbiaは有毒成分ユーホルニンの名称由来でもある。葉茎を千切ったりすると白い乳液状の液体を出すが、これも有毒。触らない方が良い。

 タカトウダイは「高灯台」だが、語源は船舶用の灯台ではなく燭台の方である。トウダイグサやノウルシも同様の形状を持っている。クリスマス用に売れるポインセチア(Euphorbia pulcherrima)は、この「灯台」が大きく赤くなった(改良?)同属の植物である。このポインセチアのように同属植物のなかには木化するものもある。

(P)2009年8月 千葉県
2015年6月 東京都 同左

2015年6月 東京都
標準和名 トウダイグサ 学名 Euphorbia helioscopia L. 生活型 越年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2015:記載なし

 田の畦などに一般的なトウダイグサ科の科名植物。タカトウダイに類似した杯状花序を持つが、葉はヘラ状で互生し草丈は20〜30cmまでである。毒性に付いてはタカトウダイと同じである。
 和名由来はもちろん灯台(燈台)で、花言葉も「明るく照らして」であり見事に統一されている。別名はスズフリバナ(鈴振花)だが、花後に形成される丸い果実を鈴に見立て、風に揺れる様を表現したものらしい。

 本種は同属の仲間、タカトウダイや完全な湿地植物であるノウルシと異なり湿地に侵入することはあまりない。主に畦や湿地周辺の多少湿った土地に自生する。荒地や道端など完全な乾地で見かけることもあるが、水田周辺ではジシバリやイヌスギナなど湿地性の植物と混生が見られる。

(P)2009年8月 茨城県
2008年4月 茨城県 同左

2008年4月 茨城県
標準和名 ノウルシ 学名 Euphorbia adenochlora Morr. et Decne. 生活型 多年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2015:準絶滅危惧(NT)

 湿地に自生するトウダイグサ科の多年草。絶滅危惧種ながら利根川水系、特に小貝川河川敷の一部では優先種となっている、花期(4月)には河川敷が本種によって黄色く染まる場所もある。画像の株は利根川河川敷のものである。
 トウダイグサ属の他種同様に有毒成分ユーホルニンを持ち、かぶれることから「野漆」の和名が付いた、とされる。草丈は30cm前後、花はタカトウダイやトウダイグサ同様に独特の杯状花序である。花序の下の苞葉も黄色くなることから大きな花に見える。(画像の株はやや黄色くなりかけ)

 本種が全国的に減少している背景には湿地の植物相の問題があり、野焼きや刈り取りなどの手入れが行われない河川敷や湿地が増えたことによるものと考えられる。アシの増殖によって日光を遮られ絶えてしまう湿地植物も意外に多いのである。大河川中流域の氾濫原に成立する植物は等しくこの危険に晒されており、同様の条件のハナムグラやエキサイゼリなどと共に利根川流域でも減少が懸念される種である。

(P)2008年4月 茨城県
2011年4月 茨城県 氾濫原の群生地 2013年5月 茨城県 果実
2014年4月 茨城県 同左

2014年4月 茨城県
【ノウルシ】2017年5月 渡良瀬遊水地
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