日本の水生植物 水生植物図譜
ムラサキ科 Boraginaceae
(APGV:ムラサキ科 Boraginaceae
絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2015準拠
外来生物表示:外来生物法第八次指定
植物分類:APGV分類 併記
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キュウリグサ属 ワスレナグサ属
キュウリグサ属 Trigonotis
標準和名 キュウリグサ 学名 Trigonotis peduncularis (Trevir.) Benth. 生活型 越年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2015:記載なし

 河川敷など湿地の他、道端や畑地にも自生するキュウリグサ属の野草。当地の沼ではヌマトラノオやヒメハッカなど湿地性の強い植物と混生している。また、別名「タビラコ」とも呼ばれ、水田にも縁の深い植物であることが伺える。(より湿地性の強い同属ミズタビラコという種もある)
 胡瓜の名を冠するが、植物体としての特徴の相似ではなく、葉を揉むと胡瓜の香りがすることに由来する。各地に広範に分布するが、古代に帰化した植物であるとも言われている。秋に発芽してロゼットで越冬、花期は3〜5月。

 花茎は高さ30cm、先端が巻きサソリの尾に似ることから「サソリ型花序」と呼ばれる。花は小さな青花、ハナイバナ(ムラサキ科ハナイバナ属)に似るが、キュウリグサが花茎に花のみ付けるのに対し、ハナイバナは葉の間に花が付くことで区別できる。
2011年5月 茨城県 同左
ワスレナグサ属 Myosotis
標準和名 ワスレナグサ 学名 Myosotis scorpioides L. 生活型 多年草 自生環境 湿地
外来生物:外来生物法指定なし

 湿地の植物というよりも我が国では鉢植え、庭植えの園芸植物として馴染み深い。優雅な和名を持つがヨーロッパ・アジア原産の帰化植物である。花期以外の草姿はありがちな「雑草」なので非常に目立たないが探せば結構湿地にはある。逸出源は言うまでもないだろう。
 意外な事に水草水槽に沈めると相当長期間、矮小化しながらも生き延びる。明らかな沈水葉は確認できないが、湿地植物らしさを感じる性質である。もちろん水草としての美しさはほぼ無いのであえて育成する価値もないと思う。

 和名由来はドナウ川の岸に咲く花を恋人に贈ろうとして、川に落ちて流された哀れな人が、流される間際に「忘れないで」と叫んだことによるようで(もちろん伝説だろうが)、事実英語ではforget me not、ドイツ語ではVergissmeinnichtで和名と同じニュアンスを持っている。
 漢字で書けば勿忘草、記載学名では正式な標準和名はシンワスレナグサらしいが、データソースとしているoNLINE植物アルバムの記述に従っている。尚、園芸流通しているものにはノハラワスレナグサ(Myosotis alpestris)やエゾムラサキ(Myosotis sylvatica)もあるが、種間交雑も多い事実に鑑み画像の株がどの種にあたるか正確には同定していない。総称としての同定とご理解いただきたい。

(P)2007年4月 茨城県(自宅育成)
2013年8月 茨城県 青花 同左 群生
2013年8月 茨城県 草体 同左 葉
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