日本の水生植物 探査記録

Vol.193 超鈍足漂流2020 宿題解決編



Location 千葉県我孫子市・柏市
Date 2020.07.24(FRI)
Photograph RICOH CX5・Canon PowerShotS120

Weather Cloudy with occasional rain

Temperature 25℃

(C)2020 半夏堂


■正解はやはりオオバナミズキンバイ


(P)水の館近くにも定着したオオバナミズキンバイ
Canon PowerShotS120

宿題提出までに1ヶ月

■天候不順

 前作「超鈍足漂流2020」で、手賀沼で黄色い花を咲かせる水生植物に付いて本命オオバナミズキンバイ、大穴というか希望を込めてミズキンバイ、と書いたが正体を明らかにするのに1ヶ月以上かかってしまった。別に忙しかったわけではなく、天気が悪かったのである。この日も曇天時々雨、湿度はMAXだったが、天気予報では「関東の梅雨はいつ明けるか分からない」などと言っており、そうこうしているうちに絶対に行くのを忘れるな、と思って強行したのだ。

 天気が悪い、なんてのは贅沢というか呑気な話で、九州や西日本では今回の強力な梅雨前線によって生命財産を失った方もおられるわけで、趣味の心配が出来るだけ有難い。また手賀沼に向かった7月24日、前日は東京都で過去最高の新型コロナ感染者、366人も出ており茨城県→千葉県の移動で東京は関係ないが念のため電車を避けて車で移動、その意味では超鈍足漂流ではなく超高速参勤交代注1)のようだ。


(P)宿題自体は軽くクリアーしてしまった RICOH CX5


■結果

 事前に調べたところ、オオバナミズキンバイは(この時点でほぼ決めつけているが)手賀沼の西部に多く、特に流入河川の大津川河口付近で密度が濃い、ということが分かった。前回遠距離から見たのは手賀沼大橋から2km程度東の北岸なので大津川とは対角となる。すなわちその中間地点の水の館付近にもあるのではないか、と考えた。このあたりに存在すれば移動距離はミニマムであり楽に結果確認ができる。結局は大津川にも、更にその先の北千葉導水路ビジターセンターにも行っているので大滝先生ロジック、どんなに体調が悪く精神が鬱屈していても水辺に立つと云々、が発動してしまったようだ。

 予想は的中し公園化された水の館前から手賀沼大橋あたりまでの沿岸部にナガエツルノゲイトウとともにオオバナミズキンバイの多くの株が見られた。手が届く範囲にもあったので十分観察できたが、結果、これはどこからどう見てもオオバナミズキンバイである。何しろでかい。その名の通り花もでかいが草体や葉もでかい。そして立ち上がるのである。ミズキンバイというよりはヒレタゴボウ×1.5程度のイメージだ。(同じチョウジタデ属の植物なので似ていて当然だが)植物体の相違注2)はあるにしても、その大きさから2m程度の距離で見れば視力に問題のある私でも判別できる。噂通り手賀沼にも広範に定着していたのである。発生源とされている大津川合流点付近(千葉県柏市)の対岸ではあるが、対岸と言っても手賀沼は河川注3)なので水流に乗って渡ってくるのにそう時間はかからない。
 一部には生態的地位がかぶるナガエツルノゲイトウを圧迫する、という見方があるが、なるほど最初の画像をよく見るとオオバナミズキンバイに包囲されながらナガエツルノゲイトウが遠慮がちに開花している。しかしこれは「毒は毒をもって制す」ではなく「一難去ってまた一難」か。しかも一難は去っておらず二難となっている。現在でもナガエツルノゲイトウは他の植物種に比べて圧倒的に質量がある。それに加えて新たな侵略性の高い外来種の出現、簡単に言うと最悪の状況に陥っているようだ。


【手賀沼、我孫子市側(北岸)】
手賀沼大橋
Canon PowerShotS120
水の館
Canon PowerShotS120
発生源へ
■大津川


(P)川の両岸はすべてナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイに覆われている
Canon PowerShotS120

■柏市側推定発生源へ

 我孫子市付近で調査はあっという間に終了し、物足りない思いもあって近頃個人的ブームの多肉植物を見に行くか、滅多に足を運ばない手賀沼南岸柏市側に行くか迷ったが、多肉植物は雨が降っても見に行けると思い手賀沼大橋を渡って大津川河口付近へ。手軽に移動距離が短い我孫子市側で済まそうと思った当初の思惑はどこへやら、まっ、まだ連休は残っていることだし。こういう時は車が便利だなぁと強く思う。しかし車は運転に気を使うので疲れたような気がするが実は体力をほとんど使っていないのだ。そろそろ老後の貯金を金以外でも始めなければならない年代、金以外の貯金とはすなわち体力、ADL注4)である。歩く機会をできるだけ活用する、楽をしないことが認知症の予防にも繋がる。健康寿命があってこそ金も使えるというもの。(あれば、の話だが)
 とは言え、若い頃なら長靴履いてこの(画像の)アシ原を藪こぎし合流点まで向かったかも知れないが、年をとって知恵が付いているのでこの付近の植生で結末が分かってしまう。そりゃ河口まで行けばガシャモクがあるとか「本物の」ミズキンバイがあるとか強力なモチベーションがあれば頑張ろうという気にもなるが、それが絶対にない、と言い切れる手賀沼の悲しさ。しかし運動しないのを他人や環境のせいにしてはいけませんな。実を言うとこういうシチュエーションではドローン空撮に非常な魅力を感じているが、買ってしまうとますます歩かなくなってしまう可能性が強く、迷っている。だが面白いだろうなぁ。

 さて手賀沼のオオバナミズキンバイ、最初に確認されたのがこの付近ということで大津川流域からの逸出の可能性が強く疑われる。疑ってもこの手の話で犯人探しが何の意味もないことも承知の上。仮に犯人が特定され捕まってもこの環境は何も変わらない。しかしこの付近の植生を見て確信した。「犯人」は大津川である。悪名高い手賀沼の水質汚染はその原因の40%が大津川注5)であるとされるが、一度ならず二度までも手賀沼の環境に致命的な悪影響を与えてしまうとは罪深い川である。もちろん川が悪いわけではなく、水を汚したのも危険な外来生物を放ったのも人間。
 大津川に架けられた橋から見渡せば両岸にはナゲツルノゲイトウとオオバナミズキンバイが覇を競うかのように(実際競っているわけだが)上流から河口まで繁茂している。この密度は対岸の我孫子市側の比ではない。雨が小休止したこの日、近辺にはルアーを投げる釣り人も数多く居たが、この2種類の特定外来生物の間からブラックバスを狙う・・・何か違うとは思わないのだろうか。休日に釣りを楽しんでいる人に文句を付けるつもりはないが、たぶん環境問題の解決は一人一人の問題意識から、だろう。それにしてもこの絵はあまりにも酷い。


■覇権争い

 激動の世界、米中が覇権を競うグローバルな動きの一方、ここでも両特定外来生物による覇権争いがあった。遠目には緑色のモヤモヤで状況がよく分からないが近場で見るとオオバナミズキンバイが優勢に見える。そしてオオバナミズキンバイが一定以上繁茂している場所ではナガエツルノゲイトウが駆逐されてしまっているようだ。

 単純にオオバナミズキンバイの方が強いのか、外来種にありがち注6)な「新顔の方が強い」のか確たる理由は分からないが、この状況をレポートした「ソロモンの頭巾」という記事によると「至る所でナガエツルノゲイトウの群落にオオバナミズキンバイが侵入して置き換わりつつあることが判明した」とあって、要するに現状ではオオバナミズキンバイの方が圧倒的に強い。どちらが強くても問題の本質は何も変わらないわけだが、1+1=1という現状維持型ではなく、あくまで予想ながら1+1=1.5ぐらいの結末になりそうな気がする。これまでのナガエツルノゲイトウを見れば、すべて置き換わると考えるのは無理がある。


(P)岸の緑のモヤモヤは接近するとオオバナミズキンバイが多かった RICOH CX5


 ナガエツルノゲイトウとオオバナミズキバイが形成する緑のモヤモヤ部分はほとんど水の上である。これがどういう事か分かるだろうか。「上を歩くことができない」という答えは0点である。正解は水生植物が自生する最も良い環境が専有されている、である。常時水分が涵養される川岸や湖岸、光が十分に届く浅瀬がすべて両種に専有されている。これでは他の水生植物が定着できない。あのしぶといマコモでさえ両種が繁茂する水域では見られないほどだ。ガシャモクどころの騒ぎではない。これが手賀沼が置かれている現状である。

【大津川のオオバナミズキンバイ】
水面に展開する浮葉
Canon PowerShotS120
ナガエツルノゲイトウを圧倒する群落
Canon PowerShotS120
こちらはこちらで元気(ナガエツルノゲイトウ)
Canon PowerShotS120
同左
Canon PowerShotS120
北千葉導水路

■箱物行政の終着駅

 せっかく南岸に渡ったことでもあり、このサイトでも散々反対意見を表明している北千葉導水路のビジターセンターに表敬訪問。相変わらず立派な建築物で、我孫子市側の水の館や鳥の博物館注7)が貧相に見えてしまう。立派なビジターセンターの左手には利根川からトンネルを通った水が凄い勢いで手賀沼に流れ込んでいる。その膨大な水量を動画で撮影したのだが、近頃YouTubeのアカウントがGoogleアカウントと同一になったようで、登録が面倒だしどうしたものか考え中なので動画はそのうち。実はGAFA注8)は嫌いなのだ。

 ここも別な意味で凄い。手賀沼への放水はダイレクトでぶち込むと底泥を巻き上げて更なる水質汚染を招いてしまうため、一度沿岸部に設置した池状の部分で受けるが、その池の周囲はナガエツルノゲイトウでびっしり覆われている。外来種問題と水質問題は根が違うことは分かっているが、どちらも国が権力と税金を使って対処しなければどうしようもない。こちらは国交省なので外来種問題は環境省に聞いてね的な縦割りの本音が聞こえてきそうな絵である。


(P)北千葉導水路ビジターセンター RICOH CX5


 正確な金額は分からないが、北千葉導水路の総工費は2000億とも3000億とも言われている。所轄官庁の問題は別として、民主主義国家の多数決は水質注9)なのか外来種なのか。誰も何とも聞かれていないので気が付かないだけだと思うが考えてみれば面妖な話だ。賛成も反対も曖昧な中でこれだけ巨額の金が使われている。それは正しいことなのか。そしてその金額を上回る税金を霞ヶ浦導水路に投入、金を使うために理由を後付けしているとしか思えない。そもそもたかが「水の地下トンネル」にこんな立派なビジターセンターが必要なのだろうか。

■負の連鎖

 仮に北千葉導水路の役割「東京都、千葉県、埼玉県の浄水確保」が真、としよう。そしてその「公益目的」のために可動を続ければ こんな事がかなりの確度で発生するはずだ。
 北千葉導水路は利根川から取水し、一部を手賀沼へ放出し(結局は手賀川経由で利根川に戻る)、一部を江戸川方面に流している。つまり手賀沼の両特定外来生物は、

(1)利根川経由で霞ヶ浦方面に定着する
(2)江戸川流域、首都圏に拡大する

(1)に付いてはすでに確認されており、霞ヶ浦においても両特定外来生物が確認されている。(ただし手賀沼由来のものかどうかは未確認)(2)に付いては今のところ聞かないが、手賀沼→利根川→北千葉導水路→江戸川のルートが存在する以上、大きなリスクがあると判断できる。手賀沼へのカワヒバリガイ注10)の拡散に続く、北千葉導水路がもたらした生態系への被害の懸念である。くどいようだが北千葉導水路は、環境への負荷>運用のメリット、ではないのか。


(P)北千葉導水路概念図(国土交通省関東地方整備局北千葉導水事業より転載)


■第三の存在

 ビジターセンターには入場せず、生い茂ったナガエツルノゲイトウを横目に傍らの水田近くの水路をのぞいて見るといつものこれ、本日3種類目の特定外来生物である。オオフサモは手賀沼本体では見かけないが周辺の水路に多い。広い場所が苦手なのかナガエツルノゲイトウに圧迫されたのか理由は定かではないが不幸中の幸いだ。
 ナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイがしのぎを削る戦場にオオフサモまで参戦してしまうと何が何だか分からなくなりそうだが、防除は簡単だ。「水辺にある植物をすべて回収する」これでざっくり95%は特定外来生物であり、残り5%はアシだ。どこからも文句の出ない完璧なスキームである。問題点は刈り取ってもすぐに元に戻ることで、これまで掲載した写真の場所も様々な主体が防除を行っているのである。
 防除のスピードが増殖のスピードに追いつかない現状を考えれば、いずれ近未来に手賀沼の植生はナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイ、周辺で隙をうかがうオオフサモ、という図式になることは確実に思える。どのように前向きに考えても明るい未来が思い浮かばない、これが手賀沼の現在地点である。


(P)周辺水路で見られるオオフサモ、これまた特定外来生物 RICOH CX5


脚注

(*1) 土橋章宏作の脚本、のち小説化。「超高速!参勤交代」及び続編の「超高速!参勤交代 リターンズ」がある。作中の湯長谷藩も藩主の内藤政醇も実在するがこんなコメディーのような事実があったのかどうかは不明。この手の映画や小説は見ないし読まないが、地元の藤代宿や取手宿が登場することもあって見てしまった。ちなみに参勤交代で行き来するのは現在の福島県いわき市の湯長谷で、江戸までは水戸街道(ほぼ現在の国道6号)を通る。いわき〜東京は何度となく車で通っているので地名が出てくるだけで親近感がわく。
 今回も「超鈍足」で歩く予定であったが本文にあるような事情で車移動。2020年7月の4連休は天候が急変する日が続き、結果的には複数箇所の見学が出来たので結果オーライであった。今回のルートを我孫子駅(ないし天王台駅)から歩いて回ったら少なくても3〜4時間(最終的には柏または北柏に出る)、時間はともかく出来たがどうか自信はない。

(*2) 遺伝的には在来種のミズキンバイやケミズキンバイと近縁で、環境省の特定外来生物の解説によれば「近縁種間に交雑親和性があることから、絶滅危惧U類(VU)のミズキンバイ(L. peploides ssp. stipulacea)やケミズキンバイ(L. adscenden)との交雑や遺伝的攪乱を引き起こす可能性がある」とされている。外見的には在来種2種よりもかなり大型になり、ミズキンバイの花径2〜3cmに対し4〜5cm、草丈も1mを超える場合がある。また葉の表裏に毛があり(ミズキンバイは無毛)葉の先端には腺点がある(ミズキンバイはない)等の相違点がある。さらに近縁(亜種)のウスゲオオバナミズキンバイ(Ludwigia grandiflora ssp. hexapetale)の帰化定着も確認されているが、琵琶湖に帰化しているものはウスゲオオバナミズキンバイであることが示唆されており、現状はややカオスの状態となっている。手賀沼に帰化定着しているものは一応オオバナミズキンバイとされているが、たぶんきちんと精査した上での話ではないような気もする。本稿では暫定的にオオバナミズキンバイとした。

(*3) 手賀沼は「沼」という名称、さらに湖沼水質保全特別措置法においても指定湖沼となっているが、河川法上は一級河川である。地形的に大津川、大堀川が合流し、手賀川となって利根川に合流するので後者が妥当な判断であると考え、この表現とした。また一級河川は水系に付与されるので利根川水系の一部でもある。なぜこのようなダブルスタンダードが起きているのかと言うと河川法の規定により一級河川を含む一級水系は国土交通省、湖沼水質保全特別措置法に基づく措置は環境省が管轄するからである。本文にも書いたが、北千葉導水路がカワヒバリガイやナガエツルノゲイトウ、オオバナミズキンバイを各地に拡散するような運用となっても、管轄する国土交通省には関係ない。省庁の壁が自然環境に負荷を与え、解決を阻んでいる典型的な例であると思う。

(*4) Activitiesof Daily Livingの頭文字を取った医療用語で、日常生活動作と訳される。医療用語ではあるが、介護サービスの内容を決定する要素にもなるので高齢の親を抱える人には重要な概念になってくる。さらに認知症の進行程度を測る概念にもなってくるので覚えておいて損はない。自分は現在たまたま医療機関に身を置いているが「ADLが低下している」「結果的にQOL(Quality of Life)が維持できない」などの会話が飛び交っていて、いちいちスマホで用語を確認(そんなCMもあったな)するわけにはいかないので覚えた。現実問題、平均寿命の数値には寝たきり、自分の意思を表明できない、という人々も含まれるわけで、必ずしも健康寿命と一致しているわけではない。平均寿命から考えて、あと10年以上は植物と遊べるな、と思ったら大間違いで、それにはADL、QOLの維持が重要なのである。そのためには偏った食生活、飲酒・喫煙、運動不足などが大敵で・・・と考えているとどっちが良いのか分からなくなってくることも事実。

(*5) 水域の水質汚染原因は流入水の汚染が最も比率が高く、手賀沼の場合は流入河川である大津川、大堀川(共に主な流域は千葉県柏市)とノンポイント汚染源である周辺の住宅地や農地がある。現在の構成はともかく、手賀沼の水質汚染が進んだ時期と両河川の流域の人口増、下水道整備の遅れの時期が一致していることから両河川は手賀沼の水質汚染の有力な原因とされ、うち大津川の汚染原因としての比率が4割程度とする意見が多い。(参考:手賀沼および手賀沼流域との水質環境特性について(小林他))原因は単純であるが、その根は深く人口動態とインフラ整備のパラドックスという話で、精密なモニタリングと対策がリアルタイムで可能であったかどうかかなり疑わしい。後になって批判する事は容易だが、こうなってしまった現在、解決策を提示することは困難である。

(*6) 外来種の定着当時は爆発的な繁茂が見られるが、これは定着した土地を「裸地」だと判断するからで、それは出身地とあまりに異なる環境だからである。元々の自生地にあった障壁、天敵や繁茂を阻害する他植物がいないことが要因だろう。ナガエツルノゲイトウはそうしてここまで版図を広げたわけだが、定着してある程度時間が経過したこともあり、新顔のオオバナミズキンバイが必要以上に元気になっている事態も考えられる。時間の経過とともに落ち着く所に落ち着くはずだが、どちらにしても侵略的な外来種に占拠された手賀沼の状況が変わるわけではない。やや救いがあるとすれば、以前あれだけ見られた同地のオオフサモが定着場所、群落規模とも縮小していることで、考えにくいが両特定外来生物が現状のオオフサモ程度の規模となれば防除も可能になるだろう。

(*7) 我孫子市が運営する鳥類の博物館。入館料は一般300円だが小中学生は無料で、家族で見学するにはちょうど良い。展示内容も入館料と釣り合っておりリーズナブルである。この博物館はもともと隣接する山階鳥類研究所に触発されて設立されたものだが、イベントの共催など関係が深い。山階鳥類研究所は皇室との関係も深く、総裁は秋篠宮様で紀宮清子親王が非常勤研究員として勤務されていたことでも知られる。この事実を「鳥の博物館」と混同している人が多く、博物館を見て「ここに紀宮様が勤めていたのかぁ」と言う人を駐車場でたまに見かける。

(*8) IT業界の巨人、Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字をとった、世界のITを支配(しようとする)企業である。そこはかとなく漂う陰謀の匂い、スターウォーズの帝国軍的な雰囲気が生理的に嫌いで、YouTubeのアカウントがいつの間にかGoogleアカウントと一緒になっているのを見て使う気がなくなった。何かよさげな動画サイトを新たに見つけようと思っている。

(*9) 国土交通省の関東地方整備局利根川下流河川事務所によれば、「その役割は、利根川の水を東京都、千葉県、埼玉県で飲み水などに利用できるようにしたり、洪水を防いだり手賀沼をきれいにしたりすることです」とある。しかしこの説明は個人的に大半が虚偽、虚偽が悪ければ言い逃れだと考えている。本音は最後のセンテンス「手賀沼をきれいに」という部分にある。これだけ強調すると「元々下水道整備が至らなかったために汚染された手賀沼を金をかけて浄化するのか、同じ国交省が。まるでマッチポンプだな」と言われてしまうことを恐れていると思う。自分たちがその時点(大津川や大堀川の流域に人口増が見られた時点)できっちり下水道整備計画を進めなかったために起きた人災を美辞麗句で金をかけてカバーしようとしている。それが税金の使途として正しいか否か、という話だ。しかし同じことを霞ヶ浦でやっている以上後には引けないし本音を認めるわけにもいかないだろう。

(*10) 中国南部原産の淡水生二枚貝。アジア各地に分布を広げているが日本では特定外来生物に指定されている。霞ヶ浦でも取水口や排水口付近に群生し、問題となっている。どうせ詰まらせるなら北千葉導水路でも、と思ってしまうが危険な外来種であることは間違いない。二枚貝なら食えるのでは?と思うが肉が少なくシジミ以下なので問題外。ちなみに食用にすべし、と持ち帰れば外来生物法の罰則の対象となるので要注意。


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