日本の水生植物 | 水生植物図譜 |
セリ科 Umbelliferae (APGW:セリ科 Umbelliferae) |
■絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2017準拠 ■外来生物表示:外来生物法第八次指定 ■植物分類:APGW分類 併記 |
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エキサイゼリ属 Apodicarpum (APGW:セリ亜科 Apioideae エキサイゼリ属 Apodicarpum) |
標準和名 | エキサイゼリ | 学名 | Apodicarpum ikenoi Makino | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:準絶滅危惧(NT) 1属1種の日本固有種であり、分布は利根川水系と愛知県の一部にしかない希少種である。環境省RDBでは絶滅危惧IB類(EN)であるが、レッドリスト2012に於いては表記の通り準絶滅危惧(NT)とされた。エキサイゼリの和名由来は、記録したのが本草学者でもあった前田利保(1800〜1859、富山藩主)であり、彼の号が益斎であったことにちなむ。 草体の外見的特徴はセリに似るが羽状複葉であり、セリのように三出複葉とならない点である。全体的に小さいがセリに比べてしっかりした印象も受ける。セリよりも花期は早く5〜6月。 利根川水系では渡良瀬遊水地や利根川支流の小貝川氾濫原など、野焼きが行われている湿地に出現する。(画像にも野焼きによって炭化した植物の残滓が見える)このことから、野焼きに恩恵を受ける植物である、と言われる。逆に言えば人間の撹乱に適合した植物であって、管理が成されなければ滅びてしまう危険性が高い。 (P)2010年4月 栃木県 渡良瀬遊水地 More featureエキサイゼリ |
2011年5月 茨城県 |
同左 |
シシウド属 Angelica |
標準和名 | ノダケ | 学名 | Angelica decursiva Franch. Et Savat. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2017:記載なし 山野の湿った場所に生えるセリ科の大形草本。古くから根を乾燥した粉末を風邪薬として用いてきた。(奈良時代から記録あり)北海道以外の日本全国に分布する。 肥厚した根を持ち、草丈1.5m前後に育つ。葉は互生し羽状に分裂する。1回3出羽状複葉。葉の羽片が細い品種をホソバノダケとする立場もある。花期は9月から11月、分岐した枝先に複散形花序を付ける。セリ科の花としては珍しく暗紅紫色であるが、白花品種もあり、シロバナノダケとして区別する場合もある。複散形花序の大きさは右画像のものが標準的だが、花序に来たオオスズメバチがスケールになっている。 (P)2015年9月 東京都 |
2015年9月 東京都 |
同左 |
2015年9月 東京都 |
同左 |
2015年9月 東京都 |
シムラニンジン属 Pterygopleurum (APGW:セリ亜科 Apioideae シムラニンジン属 Pterygopleurum) |
標準和名 | シムラニンジン | 学名 | Pterygopleurum neurophyllum (Maxim.) Kitag. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:絶滅危惧U類(VU) 極めて稀な大型のセリ科湿地植物。草丈は1.5m前後になる。地元の利根川沿い茨城県取手市にも近年まで自生地があったが河川改修工事により消滅した。種の存続基盤、条件が脆弱なわけではなく、湿地の喪失が減少原因であることは間違いないだろう。 和名の元となった東京都板橋区志村付近でも宅地開発等による湿地喪失で絶滅した、と聞く。画像の株は復活を期して他地区から移入した株を保存、増殖している板橋区立赤塚植物園のものである。 ちなみに地元の河川改修であるが、山と渓谷社の図鑑に収録されたヒメハッカとミズトラノオ、さらにハナムグラの自生地でもあったがこれら3種のRDB植物を含めて消滅しているので罪深い。 赤塚植物園での生育状況を見るとやや株数も増えており開花もしているので、ゆっくりとではあるが保全、復活の試みは成功しているように思われる。 (P)2009年7月 東京都 |
2009年7月 東京都 |
同左 葉 |
2015年8月 栃木県(渡良瀬遊水地) |
セリ属 Oenanthe (APGW:セリ亜科 Apioideae セリ属 Oenanthe) |
標準和名 | セリ | 学名 | Oenanthe javanica DC. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 湿地や水田に一般的な植物。春の七草としても有名。食用になるが類似種にドクゼリという有毒植物があるので注意が必要。水田周辺のものは除草剤の付着にも注意が必要だろう。また開花期が近づくと「あく」が強くなり草体も固くなって食用とならない。 葉は1〜2回3出羽状複葉であり、似通ったエキサイゼリとの見かけ上の相違となる。7〜8月頃、複散形花序に白い小さな花を多数付ける。(下画像参照)小さすぎて画像では分からないが、花弁は5、ガクが退化した花が多いセリ科にあって目視可能な大きさの三角形のガクを確認できる。 セリは生態系でも重要な役割を果たしており、何種類かの昆虫の食草にもなっている。湿地に自生するものにはキアゲハの派手な幼虫が付いているのをよく見かける。 (P)2004年8月 茨城県 |
2011年7月 茨城県 開花 |
同左 |
2015年6月 千葉県 |
同左 |
2015年10月 千葉県 |
チドメグサ属 Hydrocotyle (APGW:チドメグサ亜科 Hydrocotyloideae チドメグサ属 Hydrocotyle) |
標準和名 | ウチワゼニグサ | 学名 | Hydrocotyle verticillata Thunb.var.triradiata Ferm. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
外来生物:外来生物法指定なし 別名ウォーターマッシュルーム、ウォータコイン、タテバチドメグサとも呼ばれる北アメリカ原産帰化植物。外来生物法で特定外来生物に指定されたブラジルチドメグサの近縁種であり、本種に関連して「種類名証明書の添付が必要な生物」(外来セリ科チドメグサ属植物、注)とされている。帰化はほぼアクアリウム起源である。 水草として、ビオトープの植物としてアクアリウムショップやホームセンターで広く販売されている。特に公園の造成や整地が行われた直後の水辺、いわゆる裸地では定着増殖が甚だしく他種水生植物を駆逐してしまう傾向が強い。取り扱いには十分な注意が必要である。 (注)種類名証明書の添付が必要な生物 ・輸入するためには、輸出国の政府機関等が発行する種類名を証明する書類を税関に提出することが必要 ・種類名証明書には種名が学名で記載されていることが必要 (P)2011年6月 埼玉県 |
2011年6月 埼玉県 |
同左 |
2015年7月 千葉県 2019年7月 茨城県 開花 |
標準和名 | オオチドメ | 学名 | Hydrocotyle ramiflora Maxim. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし ノチドメを大型にしたようなチドメグサ属多年草。大血止、別名ヤマチドメ、湿地や河川敷でよく見られる。画像は利根川南岸、千葉県側の河川敷でのもの。撮影時花は咲いていなかったが、花茎は葉より高く立ち上がる。 葉柄が長く円形の葉で浅い鋸歯がある。葉は直径は3cmほどになり、葉裏は無毛。また基部の切れ込みは心形で両縁が重なる。(離れる場合もあるが当地では未確認)茎は細く地を這って節々から枝を出し、枝は斜上して立ち上がる。葉腋から花柄を出し、淡緑白色の小さな花を付ける。 生態から水中でも成長できるように思われるが、ノチドメのように長期に渡る沈水は不可。アクアリウムプランツとしての利用は厳しい。河川敷でも水際には少なく、堤防際アシ帯の縁などに密生して生えている。この自生地では他にウシノシッペイ、イヌゴマ、シロバナサクラタデなどと共に生えていた。 (P)2011年8月 千葉県 |
2011年8月 千葉県 |
同左 |
標準和名 | ノチドメ | 学名 | Hydrocotyle maritima Honda. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 多少の湿り気のある日陰に普通に自生する「雑草」。近似種にオオチドメ、チドメグサという種もあるが、どうにも分類出来ない外来種と思われる種も進出している。ブラジルチドメグサは特定外来生物被害防止法の対象種となっている。 近縁種との同定は目視では葉の切れ込みが簡単。チドメグサ:浅い、切れ込み部分が接している ノチドメ:深い、切れ込み部分が離れている(V字型) オオチドメ:浅い、切れ込み基部が重なり合う という特徴がある。また本種のみ葉に光沢がない。3種とも血止めの薬効がありそうな和名だが、残念ながら薬効成分は確認されていない。 (P)2015年7月 千葉県 |
2015年7月 千葉県 |
ツボクサ属 Centella (APGW:チドメグサ亜科 Hydrocotyloideae ツボクサ属 Centella) |
標準和名 | ツボクサ | 学名 | Centella asiatica (L.)Urban | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 公園の植え込みや道路際でも普通に見られるが、湿地にも進出する。セリ科なので水には強いと思うが、時として水中にも進出している姿が見られる。この画像でも水中に葉茎を進出させているが、阿武隈山地の渓流でも同様の状況を目撃している。 陸生のカキドオシ(シソ科カキドオシ属、Glechoma hederacea L. subsp. grandis (A. Gray) Hara)と非常に草姿が似るが、本種は茎が円柱状、葉は対生、カキドオシは茎が四角柱状、葉は互生である。カキドオシの方もしばしば湿地に進出するので紛らわしい。 (P)2005年8月 茨城県 |
ドクゼリ属 Cicuta (APGW:セリ亜科 Apioideae ドクゼリ属 Cicuta) |
標準和名 | ドクゼリ | 学名 | Cicuta virosa L. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし セリに全体の雰囲気は似るがとにかく大型、地下茎は竹のような節まで出るので余程の事が無い限りセリと誤認することは無いだろう。またセリは概ね水辺に湿生するが本種は水中から立ち上がる。 名に恥じぬ毒草でシクトキシンというアルカロイドによっておう吐、下痢、腹痛、場合によっては呼吸困難も引き起こす。侮れない毒草である。それなりの雰囲気はあるがあえて育成する必要もない。育成しても食べなければ何も起きないが、水辺の植物ではサワギキョウやアゼムシロなどロベリアと並んで危険植物なのでくれぐれもご注意願いたい。 (P)2005年9月 茨城県 |
2010年7月 茨城県 開花 |
同左 |
2014年5月 茨城県 葉 |
同左 |
ヌマゼリ属 Sium (APGW:セリ亜科 Apioideae ヌマゼリ属 Sium) |
標準和名 | サワゼリ | 学名 | Sium suave Walter subsp. nipponicum (Maxim.) Sugimoto | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:絶滅危惧U類(VU) 全国的に希少になりつつあるセリ科の多年草。環境省レッドデータブックでは絶滅危惧IB類(EN)となっている。別名ヌマゼリ。標準和名はサワゼリだが、RDB上ではヌマゼリと標記されている。両者の名が示す通り湿地性のセリである。草体は大型になり、ドクゼリと似るが葉幅があり、特徴的な鋸歯がある。葉は単羽状複葉。花はセリ科に多く見られる複散形花序である。 霞ケ浦・利根川水系では極めて稀であり、一帯の調査を開始して以来いまだに未発見である。広く知られた植物ではなくドクゼリや同属のムカゴニンジンの誤認報告も多い。野生での残存はかなり少ないことが推測される。減少原因はシムラニンジン等と同様に、育成に適した湿地の喪失であると考えられる。 (P)2010年8月 東京都(東京都薬用植物園) |
2010年8月 東京都(東京都薬用植物園) |
同左 |
2012年11月 茨城県(兵庫県産 自宅育成) |
同左(以下同) |
葉長40〜50mm程度 |
鋸歯が鋭く特徴的 |
葉先 |
葉の表面 |
2013年9月 茨城県(自宅育成) 開花 |
同左 |
標準和名 | ムカゴニンジン | 学名 | Sium ninsi L. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 湿地に自生するセリ科の多年草。ヌマゼリやシムラニンジンに比べると草体全体が細く繊細である。ムカゴニンジンの「ムカゴ」は本種が葉の付根に約5mm程度のムカゴを形成することによる。ちなみにムカゴとは受粉を伴わない無性生殖(栄養繁殖)の一つの形態。形成されたムカゴは下画像である。 ムカゴは零余子と書き、但し書きを付けない場合にはヤマノイモのものを示す。今ではあまり見かけないが、白米と一緒に炊飯した零余子飯は秋の季語となっている。水生植物では熱帯スイレン、雑草ではハンゲ(カラスビシャク)などが形成することでも知られている。「ニンジン」の名は葉が人参に似ること、ムカゴの形状が朝鮮人参に似ること、の2説あるが見た目で言えば後者であろうと思われる。 自生地では地味で目立たない。特に同じ環境に生えるセリに紛れるとお手上げで、見つけるには余程の注意力と観察力が必要だろう。花は白く小さいが放射状に咲くので美しい。 自生環境にも2説あり、貧栄養湿地と富栄養湿地である。この画像は砂質貧栄養の千葉県山武市の湿地のものであるが、富栄養湿地では見かけないことを考えると前者が正解なのだろう。自生は多くの場合同様の環境を好むモウセンゴケなどと混生する。 本種は同属他種と同様に羽状複葉だが小葉の数が少なく3小葉状が多い。葉数も多くないので余計に繊細で目立たない。しかし経験上広い湿地では端の方に自生する場合が多いので探せば見つかる確率は高いと思われる。尚、本種をムカゴニンジン属とする分類もある。 (P)2009年8月 千葉県(上) 2009年9月 千葉県(下) 形成されたムカゴ |
2013年8月 千葉県 |
同左 |
ハナウド属 Heracleum (APGW:セリ亜科 Apioideae ハナウド属 Heracleum) |
標準和名 | ハナウド | 学名 | Heracleum nipponicum Kitag. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 河川敷や湿地に生える大型のセリ科多年草。草丈は1m以上になる。花期5月に一斉に咲き出す様は見事。葉は3出複葉〜羽状複葉で、葉柄の基部がやや膨らみ鞘状になる。若い芽(関東地方では4月中旬頃が最適)は食用になるが、天ぷらや粕漬けが一般的な調理法だ。タラの芽同様にクセやエグミがなく山菜として一級品。一説に毒があるという話もあるが、私の実家近辺では普通に食用とし、中毒したという話も聞かない。ドクゼリか何かと混同しているのだろうか? 霞ヶ浦・利根川水系では小河川の土手などに群生している。近似種のオオハナウドは北方系とされ、関東地方では標高の高い地域に自生する。 (P)2010年5月 茨城県 |
2010年5月 茨城県 |
同左 葉の形状 |
2016年5月 埼玉県 |
ホタルサイコ属 Bupleurum |
標準和名 | ミシマサイコ | 学名 | Bupleurum stenophyllum (Nakai) Kitag. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2017:絶滅危惧II類(VU) セリ科の多年草。ミシマは静岡県の三島だが三島特産というわけではなく、元々「柴胡(さいこ)」という生薬に用いられていたが、東海道の三島宿で生産されたものの品質が良く代名詞となった和名。本州中部以西に分布する。(画像は植物園に植栽された株を撮影)湿地の周辺や日当たりの良い山野に自生する。 細く堅い茎が直立し、草丈は50〜70cmとなる。葉は互生、5〜10cm長の広腺形。花弁が内側に湾曲した黄色の花を複散形花序に多数付ける。江戸時代から薬草として全国で栽培されてきたが、見栄えもするので現在でも園芸用として一定の流通量がある。絶滅危惧種の評価は有用植物として採集されてきたことによる自生の減少による。 (P)2019年8月 東京都 |
2019年8月 東京都 |
同左 |
ミツバ属 Cryptotaenia (APGW:セリ亜科 Apioideae ミツバ属 Cryptotaenia) |
標準和名 | ミツバ | 学名 | Cryptotaenia japonica Hassk. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2017:記載なし 野菜として流通するセリ科多年草。流通するものは水耕栽培されたものだが、湿り気のある山野にも自生する。画像は東京都の南部、渓流沿いの湿地での撮影。種小名はjaponicaであるが日本の固有種ではなく。朝鮮半島や中国、台湾にも分布する。 直立した茎に、和名の通り小葉が3つ付く(3出複葉)。葉柄は長く、30p以上になる場合もある。小葉は3〜10p長の卵形で重鋸歯縁がある。草体にはミツバ特有の香気があり判別ポイントとなる。画像の株は小葉に深い切れ込みがあり、ウシミツバ(f. dissecta)という品種に分類される可能性もある。 (P)2019年8月 東京都 |
2019年8月 東京都 |
同左 |
ヤブジラミ属 Torilis (APGW:セリ亜科 Apioideae ヤブジラミ属 Torilis) |
標準和名 | オヤブジラミ | 学名 | Torilis scabra (Thunb.) DC. | 生活型 | 越年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし ヤブジラミ同様、湿地や、やや湿った草原などに広範に自生する大型のセリ科植物。草丈は30〜70cm、葉は2回3出複葉のヤブジラミと異なり3回3出羽状複葉、また全体的に毛が多く、花弁や果実がピンクがかる。ヤブジラミには見られない明瞭な花柄(果柄)があるのが特徴で、このため花や果実が疎らに見える。花期はヤブジラミよりやや早く4〜5月。 当地ではヤブジラミは広範に見られるが、本種は利根川、小貝川沿いのスゲ帯や自然湖沼の周辺など人の手があまり入らない場所でのみ見られる。 (P)2014年6月 茨城県 |
2014年6月 茨城県 |
同左 |
2015年5月 茨城県 |
同左 |
2015年5月 茨城県 |
同左 |
標準和名 | ヤブジラミ | 学名 | Torilis japonica (Houtt.) DC. | 生活型 | 越年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 湿地や、やや湿った草原などに広範に自生する大型のセリ科植物。草丈は30〜70cm、葉は2回3出複葉(羽状複葉)である。(画像右下)花期は5〜7月、散形花序を付け、白花を咲かせる。(画像左下) 和名由来は果実にあり、刺を密生して衣服などに付着する様子が、シラミに見立てられていることによる。藪、と名乗る通り道端の藪などにも自生する。同様の生活史を持ったオヤブジラミ(Torilis scabra (Thunb.) DC.)という近縁の種も存在するが、オヤブジラミは春のみ開花し、果実が赤味を帯びる点により区別される。 霞ヶ浦・利根川水系では河川敷や湖岸湿地に多く、完全な湿地植物のような印象を受ける。同環境にジョウロウスゲやヒメジソ、サンカクイ等の湿地植物が見られる。また、渡良瀬遊水地においても湿地性のタデ、アオヒメタデやホソバイヌタデなどと自生域が被っている。 (P)2011年6月 茨城県 |
2011年6月 茨城県 散形花序 |
同左 葉の形状 |
2015年6月 茨城県 |