日本の水生植物 水生植物図譜
ミズゴケ科 Sphagnaceae
絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2017準拠
外来生物表示:外来生物法第八次指定
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ミズゴケ属
ミズゴケ属 Sphagnum
標準和名 オオミズゴケ 学名 Sphagnum palu L. 生活型 多年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2017:準絶滅危惧種(NT)

 ミズゴケ属の種は国内に約40種類あり、最も大型となる種の一つ。関東近辺では山地周辺の湿地、渓流沿いなどに見られる。高地性または北方型の蘚類ではないが、平地の湿地の環境悪化や開発によって結果的に減少し、レッドデータブックに記載される程になっている。
 美しい植物ではないが、ランを栽培する際のコンポストに最適であり、園芸店やホームセンターでも用土として販売されている。要するにミズゴケ湿原の再生力を上回り過度に採集されている。これは保水力や通気性の良さが注目されているためであるが、ユーザーとして代替用土の検討も必要だろう。

 オオミズゴケは高層湿原や湖沼の浮島の形成要因ともなっている。腐植栄養的な湖沼で主に見ることができ、福島県の五色沼ではオオミズゴケによって形成された浮島にミソハギなどの湿地性植物が繁茂している。生態的にも重要な位置を占めている植物だ。


(P)2010年9月 茨城県
標準和名 ミズゴケ 学名 Sphagnum sp. 生活型 多年草 自生環境 湿地
環境省レッドリスト2017:記載なし

 ミズゴケの標準的な形をしているが、微小な差異によって「種」が成立するカテゴリーであること、保護された湿地で撮影したものであり、採集して精査していないことからsp.として扱った点ご了承願いたい。

 湿地の地表面に生える蘚苔類。この仲間は画像のように放射状に伸長するものが多い。耕作放棄水田など遷移環境の湿地で見ることは少なく、湧水などで涵養された安定した湿地で見ることが多い。この画像を撮影した湿地では同様の環境を好むヒメナエやシロイヌノヒゲが同所的に見られた。園芸用土としても流通しているが、販売されるオオミズゴケ同様に様々な種が混入しているようだ。

(P)2017年9月 茨城県

2017年9月 茨城県

同左
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