日本の水生植物 | 水生植物図譜 |
ドクダミ科 Saururaceae (APGV:ドクダミ科 Saururaceae) |
■絶滅危惧種表示:環境省レッドリスト2015準拠 ■外来生物表示:外来生物法第八次指定 ■植物分類:APGV分類 併記 |
genus search ドクダミ属 ハンゲショウ属 |
ドクダミ属 Houttuynia |
標準和名 | ドクダミ | 学名 | Houttuynia cordata Thunb. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 湿地植物に載せる事も憚られるほど普通の種。特に湿地ではなくても自生するが、ヨーロッパでは「レッドサウルルス」と呼ばれ立派に水草扱いされている。タフな種で裏庭、アスファルトの裂け目、道端、また時として湿地浅水中と、まさに「どこにでもある」種であり、庭に蔓延ると地下茎で次々と新芽を出し、少しでも地下茎が残ればまた短期間に復活する。立派な駆除難種雑草である。 独特の臭気があり名前も「ドク」ダミであるが毒草ではなく、逆に古来から薬草として用いられている。薬効は緩下作用、利尿作用、血圧降下など。また臭気は高温で消失するため、野草として食用する地方もある。 (P)2007年4月 茨城県 |
2014年6月 茨城県 | 同左 花 |
2014年6月 茨城県 |
ハンゲショウ属 Saururus |
標準和名 | アメリカハンゲショウ | 学名 | Saururus cernuus L. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
外来生物:外来生物法指定なし 帰化していると言われているが、それほど多くの場所では見かけず被害実態も把握できない。いわゆるアクアリウムにおける北米原産の「サウルルス」である。 近似種のハンゲショウは葉が白くなるが、こちらは白くならない。葉形もかなり異なり、細く基部の切れ込みが重なる。自然下では沈水状態で自生することはまず無いと思うが、ドクダミ、ハンゲショウより水槽生活に向いているような気がする。最近ではビオトープ植物として販売されており、今後広範な地域に帰化する危険性もあると思われる。水槽用の水草としてならともかく、屋外で育成するのは危険。 花穂は長く先が垂れ下がる。北米のWebサイトでは学名後に「リザードテール」と付与されているが、元々属名Saururusは爬虫類由来であり、学名ではなくインヴォイスではないかと思われる。 ちなみに国内の文献では属名・種小名で二名法の学名として記してあり、海外サイトにのみ命名者の表現があったので三名法としてこちらを転記した。 (P)2006年8月 茨城県 |
2015年7月 東京都(公園植栽) | 同左 |
2015年7月 東京都(公園植栽) |
標準和名 | ハンゲショウ | 学名 | Saururus chinensis(Lour.) Baill. | 生活型 | 多年草 | 自生環境 | 湿地 |
環境省レッドリスト2015:記載なし 独特の香気があるドクダミの仲間。初夏から夏にかけて若葉の半分が白く色づくことからハンゲショウ(半化粧、半夏生)の標準和名を持つ。霞ヶ浦・利根川水系には広範に分布し、やや普通に見られる。 最近では園芸植物として販売されているのを見かけるようになったが、抽水状態でなくても水切れに注意すれば鉢植えで育成出来る。この点ではシロバナサクラタデやミソハギと同じ、ある程度の乾燥に対する耐性を持つ。 水中でも沈水葉を形成するので育成出来るが、独特の葉の白は出ない。明るいグリーンでかなり小型の水中葉を展開し、さらに草丈も10cm程度と、水槽レイアウトに使える有用な水草となる。属名の通り、国産のサウルルスである。 和名由来には「半夏(カラスビシャクのこと、サトイモ科ハンゲ属)が生える頃に生える植物」としているものもあるが、そんな植物は山程あり、両者が好む地形も異なっているのでハンゲショウ=半化粧の、見た目印象説が有力ではないかと思う。 (P)2002年7月 茨城県 |
2011年7月 茨城県 半化粧、の状態 | 同左 花穂 |
2014年6月 千葉県 | 同左 |
2015年7月 茨城県 湿地に群生する |