日本の水生植物 探査記録
Vol.171 春の定点観測

Location 茨城県つくばみらい市
Date 2018.03.24(SAT)
Photograph
SONY NEX-6/E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro
(C)2018 半夏堂
Weather
Sunny
Temperature17℃

湿地に春が来た


(P)氾濫原に春の気配 SONY NEX-6/E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

サルノコシカケ

SONYに付いて


 ふと気が付くと家にSONY製のカメラが多数あった。WX300、500、RX100、NEX-6、7、α6000、こうして今でもNEXを使用するように、それぞれ古くても、現在でもアマチュアレベル(私)では立派に主力機足り得る。と言うか、ここ7〜8年以内に発売されたカメラはメーカーを問わず優秀で、何も急いで買い替えたり、買い増す必要はない。

 と言いつつ懲りずに定期的にカメラを買っている自分は単なる趣味、もしくはメーカーに見事に踊らされている存在だが、そんな私でもEOS6D2を購入する際には一歩踏みとどまって、いっそのことα7系統に移行しようかと「頭を使った」のであった。
 逆説的ながらそれを断念したのは身近なSONY製品の存在が理由で、テレビ、プレステからウォークマン、USBメモリにいたるまで溢れているSONYのロゴ、この上主力機となるカメラまでSONYでは、まるでファンのようではないか。

 自分は必ずしもCanonファンではなく、それ以上にSONYファンではない。不都合・不経済を承知の上でマイクロフォーサーズも使用するし、コンデジにいたっては現存するメーカーの過半の製品を持っているし使用する。特に好き嫌いはない。しかしSONYに関しては特に操作系においてまだまだダメな点がある。カメラや光学製品の設計に携わったこともない素人であるが、これまでのメーカー問わず「カメラの常識」という観点から明らかに怪しい所が目に付く。この日も象徴的な出来事があった。(次項)

 話は変わるが、今回は今シーズンの初探査である。数か月ぶりの湿地であり、重度の花粉症とは裏腹に自然とテンションが上がる。上がったついでに河畔林を散策してみた。すると以前気が付かなかった巨大なサルノコシカケが目に付いた。どの程度巨大か、警察が押収した凶器と一緒にタバコを写すようにタバコの箱でも置いてみようと思ったが、家に忘れてきたようだ。手近な所でNEX-6を乗せてみた。直径30cm前後の「業物」である。
 サルノコシカケを見て想起させられるのは、ソビエト時代の反体制作家アレクサンダー・ソルジェニーツィン(*1)の「ガン病棟」である。ガン患者が、効能があるとされる(真偽は不明)白樺に生えるサルノコシカケを求める場面だが、中学生ぐらいに読んだ話ながら、「そんなキノコがあるんだ」と妙にこのくだりを覚えている。ちなみに中学生がそんなマイナーな海外の作家の作品を読むぐらいなので、かなりの読書家という誤解があるかも知れないが、当時はただ単に流行っていただけの話である。


(P)氾濫原で見かけた巨大サルノコシカケ。フルサイズ一眼でも乗るだろう SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro


桜咲く


 この時期、都心ではソメイヨシノが満開とのニュースだが、当地ではまだ一部程度であった。様子をご紹介しようと軽く撮影するつもりでレンズを向けたが、なんとマクロレンズ(E 30mm F3.5 Macro)でありながらピントがほぼ背景に抜けるのである。安いレンズなので他社製マクロレンズのようにフォーカスリミットのスイッチもなく、AFは迷いを繰り返すがレンズ側では如何ともし難い。
 NEXの背面には「AF/MF」という表記のレバーがあり、レバーと一体化されたボタンもある。通常のカメラであればレバーを「AF/MF」に動かしボタンを押す、ボタンはトグルスイッチ(*2)となっている、と考えるのが普通。その「普通」が通用しないのがSONY機で、結局この操作では何事も起きなかった。不思議に思い、帰宅後にNEX-7のマニュアル(*3)を調べたところ、実に画期的なことが書いてあった。

・AF/MF側にレバーを動かす
・ボタンを押している間だけMFに切り替わる


そして「別の設定メニュー」で固定化すること「も」可能、とある。ちょっと待て、これは普通逆ではないか。どこの世界にカメラ裏側の押しにくい位置のボタンを押しながらマニュアルフォーカスするやつがいるのか。申し訳ないが「バカぬかせ!」である。何かを押しながら別のキーを使用するという「ノリ」はPCの「Alt+〇〇」とか「Shift+〇〇」と同じ発想ではないか。SONYがデジカメを画像データの入力デバイスと位置付けているのは知っているが、それはそれとして、ハードウェアの実態がカメラである以上、撮影現場の操作系という暗黙の了解があるのではないか。そういう発想がないのがSONYである、と言われればそれまでの話だが、それでは独善的過ぎる。ユーザーはそこまで調べて購入するわけではない。
 このファームウェアは切り捨てたVAIO(*4)の部門から移ってきた人が設計したのだろうか。また良く言われるように写真をまったく撮らない人が設計したのだろうか?申し訳ないが、この操作系では使う気がしない。撮影に出ると実際にAFとMFは頻繁に切り替えている。他社はレンズに付いているスイッチ一つで切り替わるのが普通なので、これには激しく違和感を覚えた。本当にα7系に移行しなくて良かったのかも知れない。そう思わせる程インパクトがあった。

 サルノコシカケの大きさに感激し、特に撮影する必要もない数輪のソメイヨシノのために手間取り本題以外に時間がかかってしまった。長すぎる前書きはこのあたりにして本題、定点観測へ。

*NEX-7は2012年発売の古いモデルだが、自分は中古品を昨年入手しており、これまでテスト撮影程度しか使っていなかったために上記のような話になっただけ。NEX-6は数年間使用しているがMF切り替えはソフトメニュー(これも面倒だが)で固定でき、7とは操作性が異なる。さして発売時期が変わらないモデルでも操作系を毎回変えてくるのは発展途上だからか、開発チームが違うのか、はたまたユーザー層は別だと思っているのか分からないが、NEXの設定の分かりにくさはユーザーの一般的な意見で、この点はαにも引き継がれているようだ。


(P)このシチュエーションで花にピントが来ないAFって? SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro


興亡


(P)キタミソウはミクロの世界で満開 SONY NEX-6/E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS


自生の遷移


 この一帯のキタミソウ自生地は大別すると3か所に分かれ、勝手にA,B,C地点と呼んでいる。このうち県博などに認識されている「有名な」自生地がA地点、例年主に観察しているのがB地点、アクセスが激悪なので存在は遠目に確認しているが接近したことがないのがC地点である。

 まずA地点、昨年10数株を確認したエリアを中心に探したが、見つかったのは何とたった一株であった。(画像)それも外来種のキレハイヌガラシに(考えてみればキタミソウも外来種のようなもんだ)因縁付けられているような風情。もともと砂礫が多いA地点なので自生可能な場所は限られるが、一株という現実に驚きを禁じ得なかった。
 無いものはないので仕方なくいつものB地点へ。いつも数十株は確認出来ているので結末は予想もしていなかったが何とここはゼロであった。掛け値なしのゼロ。何があったのだろうか?

 それなりに時間を捻出し期待感を持って来ている。ここまで来て一株だけ見てお帰り、ってのは寂しすぎるではないか。そう考え、通常では行かない危険度の高いC地点に行くことにした。危険なのは傾斜が45度近くある軟弱な土壌の斜面を5m以上降りなければならないからだ。落ちたとしても湿地なのでクッションは効いており、普通の地面よりは比較的安全かも知れないが、大きな石もあちこちにあり、打ち所が悪ければというレベル。
 それもさることながら「ちょっと出かける」と言って帰って来た時には泥だらけでは行動が小学生並みである。人間年齢とともに恥の概念が希薄になる傾向はあると言うが、インディ・ジョーンズじゃあるまいし持ち帰るのは価値ある考古物ではなく薄汚れた汚泥のみ、一生言われ続けるような気がする。怪我よりもむしろこっちの方がイヤだ。

 さて現地、当然だが人が歩くことは想定されていないので真っすぐ降りられるようなモノではない。軟質な斜面土壌のなかでも草が生えているような場所を選び、列車のスイチバック(*5)のように慎重に降りて行く。対岸は土手上に桜並木があり、満開であれば花見客がごったがえす。そこから見れば客観的、世間一般的に移動する意味が見いだせない対岸の斜面をヘッピリ腰で降りて行く親父は不審者全開、ソメイヨシノが咲いてなくて良かったってところだ。


(P)肩身の狭そうなA地点唯一のキタミソウ SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro



(P)C地点のキタミソウ群落。やっぱりこうじゃないと SONY NEX-6/E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS


群落


 何度か断念しそうになりつつ、羊頭狗肉的な探査記録行動で例外的な「探査」だと自ら励ましつつ対岸の湿地に到着。キタミソウは群落と呼んでも良いレベルのものが2つ。(上、及び右画像)他にもあちこちに点在しており、ざっと見て数百株は残存しているようだ。
 それぞれの地点において昨年との変化は感じられないが、キタミソウの興亡は何が原因なのだろうか。何度も書いているように園芸植物として育てられるような代物ではなく、アクセスの難易度によって盗掘が発生するようなものではないと思う。価値があるとしても植物標本ぐらいだろう。ネットで売り捌いても標本愛好家が飛びつくとも思えない。

 遷移の理由を無理にこじつけても仕方がない。キタミソウにはキタミソウの都合があるのだろう。しかしその「都合」によってC地点からも消えてしまえば近所ではキタミソウ観察ポイントが無くなってしまう。来年以降の定点観察がやや不安になった。

 不安と言えばここでもこれから満開を迎えるソメイヨシノ。近県の埼玉、群馬、東京ではクビアカツヤカミキリ(*6)の被害が拡大し、ある専門家によれば、このままでは2050年までに日本の桜が絶滅する可能性があるという。ここまで近場に来ていれば対岸の火事とは言えず、何らかの水際防御が必要になると思うが危機管理や環境行政に強い千葉県では被害実態のない現状でも対策文書が出るなど積極的だが、茨城県や県内各市では何の警報も確認できない。こんな事で良いのか?自分の目の黒いうちに環境省レッドデータでソメイヨシノや桃が記載されるのは見たくないものだと思う。
 考えてみれば古くはヒレタゴボウ、ナガエツルノゲイトウ、アメリカキカシグサ、他県で猛威を振るいつつも「対岸の火事」と見ていた期間はわずか数年、今では地元でもごく普通の光景となってしまっている。それどころか昆虫少年だった子供の頃には想像も付かなかったクマゼミやナガサキアゲハもごく普通の昆虫になっている。これらは在来種ではあるが、生態系全般を考えれば国内移入種のようなモノ、地球温暖化の成せる業であろうか。
 クビアカツヤカミキリの件で救いがあるとすれば、地味であまり気にする人もいない湿地植物と異なり、それなりに存在感も注目度もある桜が危機に晒されているということ。目の前で枯死が続出すれば動く力のある機関が動くはず。それもしないようなら真摯に取り組む千葉県にでも引っ越そうか。


(P)C地点第二群落 SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro


圧迫


 キタミソウのA,B地点における甚だしい減少に唯一関係しているかも知れないのがキレハイヌガラシ(*7)である。昨年まではまったく気が付かなかったが、今年は広範囲で密度濃く自生している姿を確認した。
 キレハイヌガラシ自体はアレロパシーなど排他性は確認されていないが、これだけあれば物理的に場所を占有するので少なからず圧迫はしているだろう。困ったことに奴らはC地点のような典型的な湿地状の土地にも入り込んでしまう。この点でも来年以降の定点観測の結果がどうなるのか、気になる所である。
 B地点、C地点にアドバンテージがあるとすればこの観察日から1ヶ月ちょっとで水底に沈むことで、このサイクルがキタミソウの存続を可能にしている一方、キレハイヌガラシなど湿地植物の種子が漂着し発芽しても定着には至らないであろう、という事。

 しかし真面目に生態が研究されている植物でもなさそうなので実際にはどうなるのか分からない。キレハイヌガラシが水の中でキタミソウ以上に生き延びる可能性も100%否定できない。なにしろ別名が「ヤチ(谷地)イヌガラシ」である。水と仲良しな雰囲気もある。どちらにしても外来種には予断や楽観は禁物、過去には誰がどういう根拠で想定したのかは別として、「想定外」の能力によって定着してきた植物は数多いのだから。そして環境行政の弱点、「想定」した人間は責任を取らない。
 ただ、状況を考えるとキタミソウの興亡は別に原因があると思われる。その原因が何なのか、確たる解はない。帰化種による圧迫以上に多雨による水流の激化や逆に冬季の水流の極端な減少なども考えられるが、もともと存続基盤が微妙な植物だけに、見逃してしまうレベルの微小な環境変化でも大きな影響を受ける可能性もある。


(P)C地点の大きな株 SONY NEX-7/E 30mm F3.5 Macro


氾濫原の春

春の芽吹き


 今年の冬は例年より寒く、この日までは時間があっても出かける気にもならなかった。しかし植物はほぼ例年通り育っているようだ。この観察地点は通常キタミソウ以外ロクに見ないが、この日は時間的かつ精神的にやや余裕があったので普段よりやや真面目に観察した。

 C地点の細流に近い場所にあったのはタガラシ。この時期の草姿は美しいが、果たしてこのまま順調に成長するのだろうか。と言うのも上記の通り、この地点は1か月ちょっとで水底となる。以前アクアリウムでは似たような草姿、葉形の「ラナンクルス(*8)」という「水草」を販売していたのを記憶しているが、タガラシは同じRanunculusでも知りうる限り水中で育つことは無いように思われる。上流には堰によって出来た大規模な湿地があるので、そこで結実した種子が流れ着き、発芽したものだろう。魚の死滅回遊(*9)のようなものか。

 さてタガラシ、田辛子(田枯らし説もあり)ながらあまり水田では見ない。付近では冬季に耕起する水田が多いために越年草は生き残れないのであろうか。当地で密度が濃いミゾコウジュも耕起が行われない水路付近ではびっしり生えているが、1〜2m離れた水田には入って行かない、という現象もよく見かける。人間やイネに忖度しているわけでもないと思うので、こういう理由もあるのかも知れない。
 結果的にタガラシは水田ではなく、いわゆる「ドブ」で見かけることが多くなっている。この環境もゴミの量と言い、汚泥の匂いと言い、簡単に表現すればドブである。しかし危険な斜面を苦労して降りて来てしまった以上、そして帰途にまた困難が予想される以上、できるだけ見るべきものを見なければならない。ベトナム戦争中に聖書詩編の言葉をもじった弾丸除け呪文の文章をジッポーのライターに刻みつけていた罰当たりな米兵達がいたという。

われ死の陰の谷を歩むとも、災いを恐れじ。なぜなら俺は死の陰の谷のくそったれ野郎だから

シチュエーションは異なるがメンタル的にはその心境に近い。同じ環境には多数のムシクサと少数のミゾコウジュのロゼットが見られた。彼らも事情はタガラシと同様だと思われるが、ムシクサに付いては開花が早く、水没前に結実も成されそうなのでこの地で世代交代を行っている可能性もある。
 このムシクサ、地域によっては水田や湿地の喪失により、ムシクサを食草とするムシクサコバンゾウムシが見られなくなっている所もあるという。当地はこの状況、湿地のいたる所で見られるので心配ご無用だが、この寄生昆虫に付いて私も誤解していた事実を告白しなければならない。(いまだに多くのWebサイトで誤解が見られる)長い間、寄生する昆虫が「ムシクサツボミタマフシ」だと思っていた。これは虫えいそのものを示す言葉で、昆虫名は上記の通りムシクサコバンゾウムシである。様々な誤りが多い人生だが、このドブの底で思ったことを教訓にこれからも生きて行こうと思う。

われ情報の迷宮を歩むとも、誤りを恐れじ。なぜなら俺は情報の迷宮の住人野郎だから



個体数の多いムシクサ 所々にはミゾコウジュのロゼット
脚注

(*1) 1918-2008 旧ソヴィエト、ロシアの反体制作家。代表作は「ガン病棟」の他、「収容所群島」「イワン・デニーソヴィチの一日」「煉獄のなかで」など。スターリン時代を飛び越えて批判を続けたため、国外追放処分をくらっている。本文にあるように自分は中学生の時にこれらの作品を読んだが、半世紀近く前にこんな異端とも思える作家の作品が文庫本(新潮)になっていたことに今更驚かされる。

(*2) スイッチの機能形状を示す言葉。Toggleはボタンの代わりに使用する留め木だが、スイッチのつまみ状の操作レバーを模してこう呼ばれる。機能としては上下または左右に倒すことで機能が切り替わる。簡単に言えば本文例の場合、レバーをAF/MFにスライドさせ、ボタンを押せばAF→MF、MF→AFに切り替わるのが筋ではないか、ということ。SONY以外のメーカーの多くは筋を通しているので、新しいカメラであってもほぼマニュアルなしで使用できる。

(*3) NEX-7だけではないが、SONYのカメラのマニュアルは驚くほど薄い。さらに書いてあることも本文にあるように、ある意味浮世離れしている。NEXのマニュアルは薄さで驚いたが、EOS6D2のマニュアルは厚さで驚いた。必要な事はすべて書いてあるが、なにしろ探すのも持ち歩くのも大変だ。製品マニュアルはメーカーによって構成や考え方が異なるが(自分もメーカーに勤務していたので理解している)、少なくても出せば良い、というものではないと思う。ネットでダウンロードしたりムック本を買わなければ分からないようなマニュアルは製品の一部として欠陥であると考えている。
 少なくてもオリンパスは以前E-M1のVer4.0のマニュアルに付いて問い合わせた際、従来バージョンの立派なマニュアルが存在するにも関わらず、Ver4.0の版が無いことを謝罪して頂いたのだ。この意識の違いはユーザー目線から見た場合、どれだけユーザーを大事にしているか、という事と同意に見える。

(*4) かつてSONYがPCを製造販売していた際のブランド。事業収益が悪化した際に事業ごと売却している。現在はその名も「VAIO株式会社」が事業継承している。SONYは完全に手を引いたわけではないが、株式保有は5%に満たない。以前自分もSONY製VAIOの結構高額なノートPCを使用していたが、正直こういう事があるとメーカーに対する信頼性が低下してしまう。カメラ事業は今のところ収益の柱の一部となっている(2018年現在)が、ある日突然撤退する前科があるだけに分からない。
 事業撤退は企業体としての判断なのである意味仕方がないが、ユーザー目線で見た場合、SONY製はカメラとレンズが「持ちつ持たれつ」で性能を発揮しており、優秀なレンズが残ったとしても他社カメラにアダプター接続しても性能が発揮できない可能性が高い。モノによって何十万もする高性能レンズでも然りなのでなかなか全面移行する気にはなれないのだ。

(*5) 斜面を登るために道路や鉄道がジグザクの経路をとること。関東近辺では箱根登山鉄道などで見られる。こういう急斜面は若いころなら真っすぐに降りて行き、勢いが付いたらジャンプして着地、だろうが、半世紀以上生きているオヂサンがそれをやると軽くて打撲、重くて骨折などは免れまい。自慢じゃないがサラリーマン崩れは体の鍛え方がまったく足りないので、関ケ原(東北戦線)の前田慶次郎や三国志の黄忠のように「爺大活躍」というわけにはいかないのである。

(*6) 中国、モンゴル、ロシア、朝鮮半島、ベトナムなどに分布するカミキリムシ。2012年に愛知県で確認され、現在では愛知をはじめ栃木、群馬、埼玉、徳島の各県と東京都、大阪府に定着が確認されている。ここまでは普通の外来種にありがちな話だが、大問題となっているのは幼虫が桜、梅、桃などバラ科の木本植物に寄生することで、内部を複数の幼虫が食い荒らした結果、これらの樹木の枯死が相次いでいることである。被害実態が深刻な埼玉県では埼玉県環境科学国際センターが情報公開を行い注意を呼び掛けている。
 何度でも言うが、埼玉県や千葉県は取り組みが素晴らしい。と言うかこれが普通で、我が茨城県がダメダメなのである。埼玉や千葉が出来てなぜ茨城で出来ないのか。我々が若い頃には出来て当然と思われた仕事が出来ないと上司から「やる気がないのか能力がないのか」と言われたもんだ。今ならパワハラだろうが、税金を使って仕事をする立場の人間に納税者がモノ申す範囲なら構うまい。

(*7) Rorippa sylvestris Besser アブラナ科イヌガラシ属。ヨーロッパ原産の帰化植物。大正時代末に北海道で発見され、その後北海道・東北に分布を拡げたが、近年は関東地方でも見られるようになった。別名(発見時命名)ヤチイヌガラシ。今では近隣のほとんどの水辺で見ることが出来る。同属他種に対する排他性は感じられず、今回の探査でもスカシタゴボウ(同属の在来種)との2ショットなども見られた。ただし発生数は多く、実生、地下茎による無性生殖で増えまくり、物理的な圧迫は当然あると思う。

(*8) キンポウゲ属の名称だが、「ラナンクルス」という属名のカタカナ読み+何とか、を名乗る園芸植物が多数流通している。キンポウゲ属は野草でも花が綺麗であり、改良を加えられた園芸種は十分以上の観賞価値がある。タガラシの場合、花が咲く前のロゼットも観賞価値があって好ましいが、残念なことに見られるのはこの時期のみ、季節限定である。

(*9) 本来は水温の高い熱帯、亜熱帯の海域に生息する魚類が黒潮に乗って関東地方近辺まで「回遊」してくることがある。冬になれば水温が低下して死滅してしまい、こうした一連の出来事を「死滅回遊」と呼ぶ。呼ぶだけで実際に「回遊」してくる魚は回遊魚ではない。


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